クラブ・タイプの仕上げに入って、やっぱり一部だけ色塗りしようかな…と手を出して見たら、ちっともうまく塗れない&乾かないから進まず、放置している神谷です。
モチベーションが切れないウチに何とかしなければ…。
先日、ネットで色んなサイトをブラブラしていた時に、ちょっとビックリする事を知って、ヘコんでしまいました…。先週北米で発売になったWii版「大神」なんですが、どうやらエンディング後のスタッフロールがまるごとカットされているらしいんです。
英語で書かれたファンのコメントを読んだので、内容を誤解したんじゃないかと自分を疑ったんですが、ウチのローカライズスタッフにも確認して、それが事実であることが分かりました。
どんな理由があってカットされたのか、その経緯は僕には分かりませんが…この事実を皆さんならどう思うでしょうか。僕がガッカリしたのは、自分の名前が作品中から消えてしまったことだけではありません。もちろん、自分たちの仕事に自信と誇りを持っていますから、「俺たちが作ったんだ!」と胸を張って言いたいです。しかしそれよりも、スタッフロールがカットされたことにより、そこに込めた“想い”までもがなくなってしまった事が、残念でならないのです。
ゲームをクリアするには、決して少なくない時間と努力が必要です。困難を乗り越えてこそ、クリアの喜びも大きくなりますから、遊び終えた人に大きな感動を与えたいという想いで、ゲームの難易度が高めに設定される場合もあるでしょうし、単にそこまでの道のりが長いということもあるでしょう。「大神」に限って言えば、難易度のハードルは極力下げるよう努めましたが、壮大な旅を終えるには20~30時間、またはそれ以上の時間を費やす事になるので、クリアが簡単でないことに変わりはありません。
そんな、必ずしも誰もが到達出来る場所ではないエンディングですから、クリアしたプレーヤーは万感の想いでスタッフロールも見るはずです。だから僕はこれまでに手掛けた作品でも、ただのスタッフ紹介には終わらない、作品を締めくくるための大切な“想い”を、そこに込めてきました。
「バイオハザード2」では、ザッピングシステムによってエンディングが「サブ・エンディング」、「メイン・エンディング」の二部構成になっていて、それぞれ全く異なったイメージの曲が流れます。「サブ・エンディング」では、戦いを終えた主人公を癒すようなバラード。「メイン・エンディング」では、全てを極めたユーザーを称える勇ましいロック。同じスタッフロールでも、クリア後の感慨に浸れるように工夫しました。
「デビル」のスタッフロールでは、映像技術が向上してスタッフロールに動画を重ねられるようになったので(「バイオ2」の時は、文字と動画が重なる部分にブロックノイズが出てしまい断念したんです…)、BGMに加え映像でも変化をつけました。
ダンテとトリッシュが新たな戦いに立ち向かう、というエピローグから続くスタッフロールの冒頭では、アップテンポな曲に合わせてダンテとトリッシュの剣舞・体術の映像が流れ、後半からは曲が穏やかなコーラスにクロスフェードし、シナリオに絡んだ“母なる海”をイメージした映像へと移り変わります。
「ジョー」のスタッフロールでは、「映画というショーの中での出来事」という世界観に絡めて、カーテンコール風に演出しました。ゲームの中では敵味方に分かれて戦ったけど、終わってみればみんな仲良し! …というイメージで、キャスト紹介と各ステージ曲のメドレーでお祭りっぽく。ゲームの内容がコミカルテイストだったからこそ出来た演出で、作っていて楽しいスタッフロールでした。
そして「大神」。これからプレーして下さる方も多いと思うので、詳しくは言えませんが…僕たちにとっても初めての長編物語モノでしたから、スタッフロールには旅の終わりにふさわしい、大きな“想い”を込めました。もちろん僕だけの想いではなく、作品に関わった全ての人の想いです。クリアした人だけが味わえる、至福のひととき。
そんな大切な時を演出する、大切なスタッフロールにしたつもりです。その全てが、まさか無くなってしまっているなんて! …こんなに残念で、悲しい事はありません。
「大神」に限らず、これから作るどのゲームも、多くの人に遊んで欲しい。全ては遊んでくれる人のために。そんな気持ちで、僕たちはゲーム作りに臨んでいます。
僕は商売ごとにはカラッキシ疎いんですけど(エラいひとたちスンマセン)、ユーザーの喜びは僕たちの喜びでもありますし、喜んでくれるユーザーは一人でも多い方が良いに決まってます。作ったゲームの面白さが認められて、より多くの人の手に渡れば、売り上げという形で会社にも貢献できるはず…ですよね(違ったらスンマセン、エラいひとたち)。
すぐには効果が現れなくても、いつか僕たちの心意気が認められれば、必ず花開くと信じています。そうして作り手も、遊ぶ側も、会社も、みんな幸せになる。
それが理想だと思ってます。
今回の件では、一体誰が幸せになったのでしょうか。僕は、ユーザーに「面白い!」と思ってもらえるゲームが作れなくなった時には、この稼業からスッパリと足を洗うつもりですが、そうなる最後の最後まで、遊ぶ側を喜ばせるという気持ちだけは、絶対に持ち続けようと思っています。
…というわけで今回はションボリローテンションなので、ご質問には次回お答えしますね。
それではまた!
写真:口直しに…リボルテック・バルキリーVF-1J!膝アーマーの形状が設定と違ってたので直しました。うーんカッコイイ…!
写真:旧1/100キットのボックスアート風ポーズ!